十勝での日本酒製造の歴史は1789年にまでさかのぼり、広尾町で濁酒(どぶろく)を中心に行われていた記録が、文献に残されています。その後1895年頃から、帯広市では「金清水」「鬼殺」「富士川」「亀の露」などの銘柄が誕生したほか、清水町、本別町、新得町、芽室町、池田町でも酒造りが行われていたそうです。十勝の酒造りは先人たちによって栄えていきましたが、1981年には一度、十勝のお酒製造の歴史は途絶えてしまいます。
お酒ができるまで
十勝の日本酒、ワイン、焼酎、ビールが
どのように生まれてきたかを、時系列でご紹介します。
十勝の日本酒、ワイン、焼酎、ビールがどのように生まれてきたかを、時系列でご紹介します。
- 1789年 ~十勝での日本酒製造のはじまり~
1789年 ~十勝での日本酒製造のはじまり~ - 1963年 ~十勝でのワイン製造のはじまり~
1963年 ~十勝でのワイン製造のはじまり~ 「ワイン城」で親しまれる「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」の設立経緯は、1952年に池田町が十勝沖地震、その直後冷害による凶作に見舞われたことにあります。この苦境から脱却を目指すべく、野山にブドウが実っていることに着目したことから、「ブドウ栽培」と「ワイン製造」への道が生まれたのです。のちの1963年に果実酒類試験製造免許の交付を受け、国内初の自治体経営によるワイン醸造がスタートしました。
- 1988年 ~十勝での焼酎製造のはじまり~
1988年 ~十勝での焼酎製造のはじまり~ 新得町の第3セクターとして「新得酒造公社」が操業を始め、地元産の蕎麦を使用した焼酎造りが始まりました。のちに宮崎の大手酒造メーカー「雲海酒造」に吸収合併され「雲海酒造北海道工場」となりますが、2010年には操業停止となりました。
- 1996年 ~十勝での地ビール製造のはじまり~
1996年 ~十勝での地ビール製造のはじまり~ 1994年の酒税法改正によって、これまで大手メーカーにしか許されていなかったビール製造が、中小メーカーでも可能になり、個性豊かな「地ビール」が全国で続々と誕生するようになりました。
十勝でも、1996年に帯広ビールが十勝初の地ビールを発表しました。 - 2011年 ~十勝・新得町の焼酎蔵が再スタート~
2011年 ~十勝・新得町の焼酎蔵が再スタート~ 「雲海酒造北海道工場」の閉鎖後、そばの産地での焼酎造りを続けたいという思いから、2011年、そこで働いていた数人で、現在も十勝唯一の焼酎蔵として名高い「さほろ酒造株式会社」として、再スタートしました。そばを中心に本格焼酎(単式蒸留焼酎)という、米なら米、蕎麦なら蕎麦の風味がよく出る製造方法を行っています。
- 2012年 ~途絶えていた十勝の日本酒が復活~
2012年 ~途絶えていた十勝の地酒が復活~ 2010年、十勝を中心とした9つの機関・団体が協力し「とかち酒文化再現プロジェクト」がスタート。同プロジェクトは、十勝の酒文化の再現等を目的として、農商工・産学官と金融の連携によって実現しました。
最大の難関であった十勝での酒米づくりを乗り越え、2012年、ついに十勝の地酒「十勝晴れ」が誕生しました。 - 2019年 ~十勝で56年ぶりのワイナリー誕生~
2019年 ~十勝で56年ぶりのワイナリー誕生~ 十勝で56年ぶり・2番目のワイナリーとして「相澤ワイナリー」が帯広市に誕生しました。農薬・化学肥料は使わず自然に近い形でブドウを育てるワイナリーで、帯広市以平地区の山林・原野を開拓し、周辺の木は残して、出来るだけ自然に近い状態で作られた圃場があります。十勝平野の大自然の中にあるワイナリーは広大な十勝を感じられます。
- 2020年 ~十勝唯一の日本酒蔵「碧雲蔵」の誕生~
2020年 ~十勝唯一の日本酒蔵「碧雲蔵」の誕生~ 2020年、食の宝庫・十勝で愛される地酒造りを目指し、全国初の大学構内の酒蔵として「碧雲蔵」が誕生。のちの2022年から碧雲蔵で地酒「十勝晴れ」の製造を担っており、初めて米も人も酒蔵も水もオール十勝のお酒が誕生しました。
- 2020年 ~十勝で3番目のワイナリー誕生~
2020年 ~十勝で3番目のワイナリー誕生~ 十勝で3番目に誕生したワイナリーは、この土地でしか生み出せない生産者と畑の個性を表現した「畑ごとのワインづくり」を行う「めむろワイナリー」。同じブドウ品種であっても畑が変われば味も香りも異なる個性のワインとなる。選別から熟成まで全ての工程をブドウの圃場ごとに行い、ブドウ生産者固有のワインに仕上げています。見学施設と直売所も併設しています。
- 2021年 ~十勝で4番目のワイナリー誕生~
2021年 ~十勝で4番目のワイナリー誕生~ 十勝で4番目に誕生し、オリジナリティ溢れるワインを製造する「十勝まきばの家ワイナリー」。十勝まきばの家では、ワイナリーだけでなく日本初の「ワイン樽サウナ」や森のカフェレストラン、夏はキャンプサイトやコテージなど宿泊にも最適な施設が盛りだくさん。ペットと一緒に楽しめるドッグランも併設しています。
- 現在 ~十勝の各地で個性あふれるお酒が誕生~
現在 ~十勝の各地で個性あふれるお酒が誕生~ 十勝では、古くから日本酒やワイン等のお酒製造が行われてきた物語があります。また近年では、ワイナリーが相次いで誕生している他、現在十勝ヒルズ(幕別町)内に十勝初のスピリッツ蒸留所開設の動きもあります。年表で紹介した以外にも、製造こそ十勝で行っていないものの、ビールや焼酎、カクテル等、十勝産食材を使ったお酒が続々と誕生しています。
十勝を盛り上げたい、という熱い想いを持つ人々によって熱を増していく十勝のお酒づくりに、今後も注目が集まります。